Tuesday, January 18, 2022 11:15 AM

ハイスポット、販売業務の最適化や効率化に革新

 人工知能を活用した営業支援ソフトウェアを開発する新興企業ハイスポット(Highspot)は、販売関連業務の最適化や効果向上を強化させる革新的ソリューションによって急成長中だ。

 ベンチャービート誌によると、同社のソフトウェアは、アマゾン・ウェブ・サービシズ(Amazon Web Services=AWS)でホストされたツールで、人工知能を活用して営業活動を支援するための情報やデータを生成および管理する。過去の販売実績や販促資料、研修用動画、事例研究、そのほかさまざまの材料を取り込んで分析し、営業手法を最適化するための推薦を提示する。また、営業部門が使っているコンテントについての洞察ももたらす。

 その種の技術は、販売有効化(sales enablement)ツールと一般に呼ばれる。販売業務も新型コロナウイルス・パンデミックを受けてデジタル化が急速に進んでおり、人工知能と自動化技術が普及しつつある。

 ハイスポットが最近に市場投入した新機能には、人工活用を使用した「エンゲージメント・ゲノミクス(Engagement Genomics)」がある。買い手側との関係性構築に関するデータと関連づけることで、顧客関係管理の記録と営業活動の記録を連動させるための手作業を自動化する。

 さらに、同社製品の利用者らが営業資料として使うコンテントを入手できる「ハイスポット・マーケットプレイス(Highspot Marketplace)」がある。同コンテントは、第三者の提携各社から提供されている。

 統計サービス会社スタティスタ(Statista)の2020年調査によると、販促および販売部門の79%は、価格設定や購入可能性予想といった業務に人工知能を活用したのちに5%以上の販売増を記録した。また、ハーバード・ビジネス・レヴュー(Harvard Business Review)の調査によると、人工知能を営業に活用した会社らは、販売機会の手がかりを50%以上増やし、通話時間(営業目的の電話に費やす時間)を60%~70%短縮し、40%~60%のコスト削減を達成した。

 ハイスポットのロバート・ワービーCEOによると、同社は2019年から2022年に売上高を935%増やした。顧客会社には、ドキュサイン(DocuSign)やゼネラル・モーターズ(General Motors)、ネスレ(Nestle)、ベライゾン・メディア(Verizon Media)を含む700社以上がある。

 ハイスポットの勢いはベンチャー・キャピタル業界からも注目されている。同社は1月13日、シリーズFの資金調達で2億4800万ドルを追加調達したと発表した。2021年2月に実施した資金調達では2億ドルを集めていた。今回の資金調達によって同社の企業評価額は35億ドルに膨らみ、累計調達額は6億4800万ドルに達した。

 ワービー氏は、マイクロソフトに16年間勤めたソフトウェア工学者で、2012年に元同僚3人とハイスポットを設立した。ハイスポットは、ワシントン州シアトルに拠点を置き、現在、約800人の従業員をかかえる。

https://venturebeat.com/2022/01/13/highspot-raises-248m-to-bolster-sales-enablement-using-ai/