Tuesday, February 08, 2022 11:10 AM
人工知能、保険金請求の処理を加速
保険業界の損害請求処理業務を人工知能で合理化かつ効率化する動きが加速している。
米国では2019年に約680万件の自動車衝突事故が発生した。自動車損害は、交通事故だけでなく、自然災害やそのほかの災害によって起こる可能性もある。また、毎回の損害ごとに車両の修理や交換、けが人の手当、警察の事故報告処理といった複数の関係者が関与して大量のデータが生み出される。
ベンチャービート誌によると、自動車保険業界向けの技術を提供するCCCインテリジェンス・ソリューションズ(CCC Intelligent Solutions)の最近の調べでは、保険金請求処理に高度の人工知能を活用した事例は2021年に前年比50%増を記録した。同社の深層学習(人工知能)で処理された保険請求は2021年に900万件以上に激増し、80%以上の成長を示した。
同社は、年間1600万件前後の自動車事故の損害請求を処理しており、その膨大な量のデータを人工知能モデルで処理している。深層学習モデルには、数十億枚という自動車損害状況写真が使われているという。
それらの画像を機械視認(コンピュータ・ヴィジョン)で処理し、深層学習モデルを適用することで、車両のへこみ具合から修理に必要な段階(過程)やその費用を迅速かつ簡単に見積もることができる。顧客が事故現場で写真を撮って事故を報告した場合には、データベースに記録されている同じ車種の類似した損害状況と合致させ、過去の請求案件から学習した情報も統合したうえで、さまざまの修理情報を提示する。
「当社のシステムは、『この車は修理可能だ。走行可能であれば、ここに修理工場がある。走行できない場合は、このレッカー移動サービス会社を呼んでください』といった指示をすぐに送ることができる」と、CCCのジョン・グッドソン最高技術責任者は述べた。
https://venturebeat.com/2022/02/02/how-ai-accelerates-insurance-claims-processing/