Friday, March 25, 2022 11:30 AM
人工知能がデータ・センターを自動化へ
人工知能がデータ・センターのあり方を大きく変えていくとみられている。
ベンチャービート誌によると、人工知能は現在、多くの会社のさまざまの業務で業務過程の自動化やデータ分析といった用途に普及しつつある。今後、データ・センターでの人工知能導入が進めば、物理的と仮想の両面にわたってほぼすべての基幹設備を変える可能性がある。
データ・センターの管理業務を自動化するうえで、人工知能を利用できる側面は多数ある。比較的容易に実現できるのが、負荷管理や、電力および資源の消費、セキュリティーといった側面だ、とデータ・センター提供会社ヨッタ(Yotta)のローハン・シェス氏は指摘する。
同氏によると、これまでのところデータ・センターでの人工知能活用があまり進んでいない背景には、関連技能を持つ人材が足りないことや、人工知能がかならずしも信頼されていないこと、そして、業務中断の恐れがあること、といった要因がある。
しかし、データ活用が大企業だけでなく中小企業にも広まるにつれ、データ・センターには、柔軟性にすぐれ低コストの業務体制が求められるようになる。人工知能を使うことで、多数の源から取得したさまざまの形式かつ比較的少量のデータをより精密に分析できるようになる。
機械学習技術を開発するアルゴリスミア(Algorithmia)の報告書によると、2020年から2021年にかけて83%の会社や団体、組織が人工知能の予算を増加させた。
「自動化」という言葉は、多くの労働者にとって仕事がなくなるという不安感をかきたてるかもしれないが、データ・センター業界では人工知能の導入が進んでも労働者不足が続くという見方がある。アップタイム・インスティテュート(Uptime Institute)の最近の調査では、常勤のデータ・センター管理者に対する全世界の需要は、こんにちの200万人から2025年までに230万人に増加すると予想された。
最終的に人工知能はデータ・センター運営業務の多数の側面に浸透するとみられるが、物理的基幹設備は、現時点ではその変化に対応する準備がないと思われる。最近のガートナー(Gartner)の報告書では、検知器の監視データにもとづいて運用状況を調整するような体制がなおも欠如していることが指摘された。基幹設備管理業務は、少なくともあと2~3年は手作業に依存する部分が多いとみられる。
https://venturebeat.com/2022/03/18/how-ai-will-change-the-data-center-and-the-it-workforce/
https://info.algorithmia.com/hubfs/2020/Reports/2021-Trends-in-ML/Algorithmia_2021_enterprise_ML_trends.pdf
https://uptimeinstitute.com/resources/asset/2021-global-supply-side-survey