Monday, June 27, 2022 10:10 AM

アップル、従業員の州外中絶費用を負担

 アップル(Apple)は6月24日、従業員らが会社の福利厚生を利用して医療処置を受けるために州外に行くことができることを確認した。同制度は、10年以上前から従業員が利用できるようになっている。

 CNBCによると、アップルは、連邦最高裁がロウ対ウェイド(Roe v. Wade)判決を6月24日に覆したことを受け、中絶がこれから禁止される州で働く従業員らが中絶容認州に行って医療処置を受ける際に同社の福利厚生を利用できることを全米の従業員らに周知させた。

 アップルが同日に出した声明は、ほかの技術大手らの対応に呼応するものだ。アルファベットとアマゾン、メタ・プラットフォームスは同日、中絶が禁止されている州にいる従業員らが中絶容認州に行く旅費を会社が負担することを約束した。

 アップルの広報担当は、「妊娠や中絶に関して自分自身で判断する権利が本人にあることをわれわれは以前から支持している」「アップルの福利厚生は10年以上にわたって、従業員が自分の住んでいる州で医療を受けられない場合、州外に行って医療サービスを受けることを認めてきた」と説明した。

 今回の判決は、月経追跡アプリケーション業界に影響する。今回の判決を受けて、中絶を違法とする州政府の検察によって生理記録データが証拠として使われる可能性が出てきたためだ。

 アップルiOSに標準搭載されているヘルス(Health)アプリケーションには生理周期追跡機能がある。その利用者データは、予備保存のためにアップルのサーバーに転送される。利用者が二段階認証機能を有効にしていれば、そのデータは暗号化され、アップルでも読み取ることはできない。

 同社がヘルス利用者データ保護をさらに強化するかどうかについては不明だ。

https://www.cnbc.com/2022/06/24/apple-responds-to-roe-v-wade-rollback.html