Thursday, June 30, 2022 6:54 AM

東芝、モビリティー向けに軽量小型高出力の超電導モーター開発

 東芝エネルギー・システムズ&ソリューションズ(東芝ESS、神奈川県)は、モビリティー(乗り物による人の移動)分野のニーズに対応する超電導モーターの試作機を開発した。

 グリーンカー・コングレスによると、この超電導モーターは最大出力2メガワット(MW)で、軽量・高出力密度・高速回転を実現し、大型モビリティーへの適用が可能。東芝ESSによると、こうした特長を持つ超電導モーターは世界初で、同社2020年代後半の実用化を目指している。

 モビリティー業界では、温室効果ガス削減の動きが急加速しており、例えば航空業界では、50年までに二酸化炭素(CO2)排出量の実質ゼロ(カーボンフリー)達成を目指している。その際、従来の石油由来ジェット燃料は徐々に持続可能な航空燃料(SAF)に置き換えられるが、完全なカーボンニュートラルを達成するには、燃料だけでなく航空システム全体を進化させる必要があり、推進系では軽量で高出力なモーターが必要になる。

 東芝ESSでは、原子力発電や火力発電用の発電機や超電導製品の開発・製造で実績がある京浜事業所に技術者・専門家チームを集結させて超電導モーターの開発に取り組んでいる。今回開発した超電導モーターは、同程度の出力を持つ従来のモーターと比べて、10分の1以下の軽量化と小型化を実現。航空機の電動化にも大きく貢献できると考えており、同社は今後さらに技術を改良して、実用化に向けた取り組みを加速させる予定だという。