Monday, July 18, 2022 12:15 PM

三大クラウドに代わるサービスへの関心が高まる

 アマゾン(Amazon Web Services)とマイクロソフト(Microsoft Azure)、そしてグーグル(Google Cloud)が世界のパブリック・クラウド電算サービス市場を牛耳るなか、それらの代わりとなる新興クラウド・サービスに対する関心が最近、高まりつつある。

 ベンチャービート誌によると、代替クラウド・サービスのおもな代表格としては、2022年初めにアカマイ・テクノロジーズ(Akamai Technologies)に買収されたリノード(Linode)や、デジタルオーシャン(DigitalOcean)、OVHクラウド(OVHcloud)がある。

 テックストロング・リサーチ(Techstrong Research)とリノードが行った最近の調査では、回答会社らの93%が三大クラウド提供会社のクラウド・サービスを使っているものの、3分の2近くが代替クラウドの利用を検討しているという結果が出た。

 「代替パブリック・クラウドのおもな魅力はコストとパフォーマンス、可用性、セキュリティー、敏捷性だ。大規模プロバイダーの製品は複雑であるため、そこに困難を感じる会社もある」と、アカマイのクラウドブレア・リヨン事業責任者は話す。

 代替クラウド・サービスは、クラウド基幹設備を単純化しながら、オープンAPI(application programming interface)へのアクセスと、マルチクラウド環境を構築する自由をもたらす可能性がある。

 「当社の価格体系は比較的単純で、大手よりも多くのサービスを同梱できる可能性がある。支払い方法に関しても、グーグル・ペイやアップル・ペイ、暗号通貨といった柔軟性をもたらす」と、リヨン氏は説明している。

 リノードは、アマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS)の代替として市場で独自の立場を築いてきた。リノードは、リナックスの電算資源を使い多機能のAPIを提供するうえ、低コストという利点を打ち出し、これまでに100万件以上の顧客を獲得している。

 リノードのおもな競合相手であるデジタルオーシャンは、2022年第1四半期の売上高が1億2730万ドルで、前年同期比36%増を記録した。同社は「開発者のためのクラウド」と称して、仮想機械やクバネティス(Kubernetes)クラスターといった多岐にわたる製品を提供している。

 OVHクラウドも市場で独自の立場を確立している。ベアメタル・クラウドやホステッド・プライベート・クラウド、パブリック・クラウドを介して、高性能の専用サーバーへのアクセスも提供する。最近の四半期売上高は2億200万ユーロだった。

https://venturebeat.com/2022/07/12/big-3-public-cloud/