Monday, August 08, 2022 10:25 AM

アマゾン、ルンバ・メーカーのアイロボットを17億ドルで買収へ

 アマゾン(Amazon)は8月5日、自律移動型掃除機ルンバ(Roomba)で知られるアイロボット(iRobot)を17億ドルで買収することに合意したことを明らかにした。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アマゾンは、アイロボットの1株あたりに61ドルを全額現金で払う。前日のアイロボット株価の終わり値は49.99ドルだったことから、約22%を上乗せした額に相当する。合意額には、少額の負債が含まれる。

 アイロボットは、ルンバを2002年に発売して以来、4000万台以上を売り上げた。無線のスマート掃除機として掃除機市場に革新をもたらしたルンバは、部屋の広さや形状を学習して地図化する。ルンバは、アマゾンのプライム・デイにおいて8年連続の目玉商品で、過去20年間においてもっとも売れた掃除機の一つだ。

 アイロボットは、2022年の売上高いついて16億~17億ドルという見通しを5月に示したが、アマゾンへの売却合意を受けて8月5日にそれを撤回した。

 ルンバは、アマゾンの人工知能アレクサの仮想執事端末(スマート・スピーカー)や玄関扉用動画呼び鈴といったスマート住宅製品部門に組み込まれる。アマゾンは、ルンバを同事業部門に統合することでスマート住宅製品事業を大幅に拡充する方針だ。

 アマゾンにとってアイロボット買収は、2017年に137億ドルで買収したグローサリー・チェーン大手ホール・フーズと3月に85億ドルで買収した映画製作大手MGM、そして7月に39億ドルで買収合意したワンライフ・ヘルスケアに次ぐ4番目の大型買収となる。

 アイロボットは、ルンバの成功に次ぐ新製品を市場投入できずに業績が悪化していた。同社は8月5日、2022年第2四半期の売上高が30%減の2億5540万ドル、純損失が前年同期の280万ドルから4340万ドルに拡大したと発表した。

 アイロボットのコリン・アングルCEOは、アマゾンによる買収手続き完了後もアイロボットのCEOとして留任する。

https://www.wsj.com/articles/amazon-buying-roomba-maker-irobot-for-1-7-billion-11659702187?mod=tech_lead_pos2