Monday, August 15, 2022 11:30 AM

コデルコ、銅の抽出量を増やすために人工知能の活用を強化

 チリ拠点の地下資源採掘大手コデルコ(Codelco)は8月12日、新規鉱床の不足と鉱物需要の高まりを受けて、自社の銅山からより多くの銅を生産するために人工知能技術の活用を大幅に拡充する計画を打ち出した。

 ブルームバーグによると、コデルコは、業績低迷やコスト上昇、環境配慮要求の強まりに対応しながら、機械学習技術を応用したデータ・センターを2020年に構築した。国営の同社は、同データ・センターで機械学習プラットフォームを運用することで、100年の歴史を持つチュキカマタ鉱山から年間約8000トン、金額にして8000万ドルの利益を上乗せできるという見通しを明らかにした。

 同社の機械学習システムは、採掘された原鉱に関する逐次転送データ(銅含有量や純度、割り合い、そのほか種々のデータ)を使い、たとえばブレンディングを活用して生産効率を最大限化できるよう加工過程を最適化する。

 世界中の鉱山採掘会社らは近年、新しい鉱床の発見と開発がより高価で難しくになるにつれ、既存現場からより多くを生産するために新しい技術に目を向けている。化石燃料からの移行や、配線用金属の需要増を受けて、銅の生産量を増やすために採掘会社らは苦戦している。

 チリは、世界最大級の銅埋蔵量を誇る国だが、鉱石の質は確実に低下している。そのため、鉱山は同じ量を生産するために、より多くの岩石を掘削して運搬する必要があり、それが採掘コストを押し上げている。また、特に近年には、水資源使用量の制限や労働争議が生産量を圧迫する要因にもなっている。

 コデルコの前四半期生産量は前年同期比9.3%減だった。

https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-08-12/codelco-turns-to-ai-to-squeeze-out-more-copper-from-aging-mines