Monday, September 19, 2022 11:50 AM

新興企業マップド、建物管理データの活用をスマート化

 多種多様の建物管理システムのデータを一貫して管理できるよう正規化かつ最適化するためのサービスを提供している新興企業マップド(Mapped、カリフォルニア州エル・セグンドウ拠点)は、新たな試験的サービスの無料提供を開始した。

 ベンチャービート誌によると、9月13日に明らかにされた同サービスは、さまざまのベンダーが提供する建物管理システムや検知器、設備機器からのデータを正規化および最適化することで、一つのAPI(application programming interface)を介してすべての機器を管理できるようにする。データの正規化や最適化は、建物のデジタル・ツインを構築する際にも重要だ。

 その試験サービスの無料提供は、開発者やデータ科学者、建物管理担当者らを対象としたセルフサービスのスターター・プランと位置づけられている。アカウントを即座に開設してクラウド上のデータを追加し、マップドのインターフェイスで見られるようになる。

 同サービスは、建物の監視および管理機能をクラウド・アプリケーションに接続させることで、スケジュールを設定したり、実績を分析したりするのに役立つ。同サービスは、グーグル・カレンダー(Google Calendar)やヴァージセンス(VergeSense)、マイクロソフト365(Microsoft 365)、オープンパス(OpenPath)といったさまざまの主要クラウド・サービスに対応している。

 マップドのシステムは、建物に取り付けられている各種の検知器や制御装置からのデータを最低4日で完全に地図化して建物管理システムに統合できる。開発者らはそれによって、システム統合に費やす時間を大幅に削減でき、システムを実際に活用して技術革新を進められるようになる、と同社は説明した。

 同社の設立者兼CEOのショーン・クーリー氏は、かつてシスコでモノのインターネット(Internet of Things=IoT)の開発に携わった際にデータ統合の困難を体験し、その必要性と重要性を認識した。

 マップドは2021年に製品を発表して以来、床面積3000万平方フィートを超える約100棟の建物、3万種類近い装置のデータを地図化した。今回開始された試験サービスはその進化版だ。

 マップドは、建物データのオープン・ソース・グラフを開発するブリック・スキーマ(Brick Schema)事業にも参加している。同事業は、建物の検知器や空調システム、照明システム、電気システムへのアクセスを調整し、空間・制御・運用上の関係を定義することで、建物機能の管理とデータ運用に革新をもたらすことをねらう。

https://venturebeat.com/ai/how-one-company-is-optimizing-building-data-for-smarter-monitoring/