Friday, March 03, 2023 11:51 AM
アップル、チャットGPT機能搭載のiOSアプリケーションを禁止
アップル(Apple)は、iOS向け電子メール・アプリケーションのブルーメール(BlueMail)が4歳以上を対象とするため、ブルーメールがチャットGPT(ChatGPT)技術を統合することで自動生成されるかもしれない不適切コンテントが幼児に表示される可能性を懸念し、同アプリケーションの更新版をアップ・ストアーで流通させない決定をくだした。
PCマガジンによると、チャットGPTには、生成人工知能によるコンテント創作能力が備わっているため、若年層のiOS端末利用者らに対して年齢にそぐわないコンテントが表示される可能性があることをアップルは問題視している。
ブルーメールは、利用者たちがメッセージ作成を自動化できるよう、チャットGPTを搭載した機能をiOS版に追加する計画を進めていた。アップルはブルーメールに対し、チャットGPT機能を組み込んだ更新版をアップ・ストアーに出品したいのであれば、利用者対象年齢を現在の4歳以上から17歳以上に変更するよう伝えたとみられる。
チャットGPT統合型アプリケーションの流通を認めないアップルの方針は、生成人工知能によってコンテントが創作または変更され、有害コンテントが利用者らに表示されるおそれがあることにアップルが注意を払っていることを明示するものだ。
チャットGPTは、利用者による簡単なテキスト指示を受けて、さまざまの話題に関して専門家並みの随筆や電子メール・メッセージ、ソーシャル・メディア投稿文を創作できる。したがって、利用者がチャットGPT機能を使って、わずかのキーワードだけを入力するだけで、あとはアプリケーションが作文する。その結果、たとえば政治的または宗教的、あるいは性的、差別的、攻撃的なメッセージ内容がつくり出され、危険あるいは悪質、または有害のコンテントが発信される可能性が出てくる。
ブルーメールのベン・ヴォーラック同設立者はそれに対し、「アップルがブルーメール・アプリケーションを不当に攻撃している」とツイートした。同氏によると、ブルーメールには、コンテント監視システムがもともと組み込まれているため、チャットGPTを統合した更新版でも、有害コンテントを検出して利用者らに表示されないようになっている。
アップルは取材に応じていない。
アップ・ストアーの審査過程には、アプリケーション開発者らが異議を申し立てて再検討を求める制度がある。ブルーメールはアップルに苦情を提出し、アップルはそれを受けて審査結果を調査中だ。
https://www.pcmag.com/news/apple-blocks-chatgpt-powered-feature-planned-for-ios-app-bluemail