Thursday, March 23, 2023 11:54 AM

エヌビディア、BMWの新工場をオムニヴァースで仮想化

 エヌビディア(NVIDIA)とBMWは3月22日、BMWがエヌビディアの産業向けデジタル・ツイン・プラットフォーム「オムニヴァース(Omniverse)」を採用して次世代の完全電気自動車(EV)の生産(施設、設備、工程)を合理化する、と発表した。

 BMWは、最新型の完全EV「ノイエ・クラッセ(Neue Klasse)」(新しいクラス)シリーズを2年後に市場投入する予定だが、その仮想的生産にすでに着手している。

 エレクトレック誌によると、BMWは先日、世界初の完全仮想製造環境をオムニヴァース内に構築し、ノイエ・クラッセを仮想的に生産することで、生産過程と生産施設の合理化および最適化を推進している。

 エヌビディアのオムニヴァースは、現実世界にもっとも近い仮想環境を再現する。オムニヴァースはまた、人工知能を活用し、メタヴァースにおいてアプリケーションを作成して操作できるようにする。それによって、物理的に正確かつ大規模の実演を仮想世界で実行できるようにし、概念実証を仮想的に可能にする。

 ノイエ・クラッセの製造施設での生産開始は2025年と見込まれる。BMWのねらいは、生産開始に先立って、新工場がどのように運営されるかをオムニヴァースで確認することで、物理的工場のすべての機能と開始までの過程を最適化することだ。

 両社は同日、オムニヴァース・プラットフォームを使ったノイエ・クラッセ製造ラインおよび工場運用を仮想化(模擬化)によって実演した。両社は、仮想世界で再現された一連の工程を検証することで、物理的工場の改善や変更の最適化、そのほかの解決策を視覚化しながら進めていく、と話した。

 たとえば、仮想化された製造ラインを仮想世界で確認することで、溶接や組み立てに使われるたくさんの機械腕の配置や動作を検証し、問題点を特定して設備の整備にすぐに反映させることができる。実際、BMWの仮想化専門部隊は、ロボット群の設置場所について、完璧な場所を模擬化によって特定し、それを検証し動作も確認した、と報告した。

 同工場の仮想計画は、BMWアイファクトリー(iFACTORY)と名づけられ、今後の新車生産のための「マスター・プラン」に追加される、とBMWは話した。同社はまた、同じ手法を省資源策やさまざまのデジタル化に応用する方針だ。

https://electrek.co/2023/03/22/bmw-using-nvidia-omniverse-to-virtually-produce-its-next-gen-evs/