Monday, March 27, 2023 6:47 AM

ヤマハ発、微生物で大気中の炭素除去する新興企業に出資

 ヤマハ発動機は、大気中の二酸化炭素(CO2)除去に有効な微生物技術の研究を進める新興企業アンデス・アグ(Andes Ag、カリフォルニア州)に出資した。

 グリーンカー・コングレスによると、今回の出資は、ヤマハ発のグループ会社でシリコンバレーを拠点に活動するヤマハ・モーター・ベンチャーズ(YMV)を通じて実現した。2022年6月に設立した気候変動対策に取り組む新興企業への投資を目的とする1億ドルのヤマハ・モーター・サステナビリティー・ファンドによる初めての投資となる。

 アンデスは、自然界に存在する微生物を利用して大気中のCO2を土壌に持続的に貯留する方法を研究している。同社が提供するプラットフォームは、種子を微生物の安全な容器として利用する仕組みで、この微生物が作物(トウモロコシ、大豆、小麦など)と共生しながら大気中の炭素を捕捉し、土壌に永久的に堆積させる。CO2の除去は土壌調査によって検証でき、これによってカーボンクレジット(取引可能な炭素排出権)を生み出せる。

 ヤマハ発は、22年2月に発表した新中期経営計画(22〜24年)において、これまで進めてきた成長戦略や経営基盤の強化に加え、サステナビリティーへの取り組み強化を進めている。目標達成に必要なカーボンニュートラル(炭素排出実質ゼロ)の取り組みを加速させるため、持続可能性の実現につながる新技術や事業方式を追求している。

 今回の投資は、炭素クレジット/オフセットや、農業分野で応用可能な拡張性のある炭素除去のための天然資源に関して、より深い知見を獲得することを目的としている。