Monday, March 27, 2023 11:58 AM

カーボナブル、気候変動対策にブロックチェーンを活用

 気温上昇や氷冠融解、異常気象の頻度と強度の悪化を受けて、気候変動の影響はますます顕著になってている。その対策に実効性をもたらそうとねらう技術開発も活発化しており、ブロックチェーンがその一つとしてとらえられている。

 テック・ファンディング・ニュースによると、ブロックチェーン上で炭素回収に投資する活動を支援する法人向けサービスを提供するカーボナブル(Carbonable、パリ拠点)は、同分野における将来有望の新興企業の一つと位置づけられる。

 同社は3月23日、ラ・ポースト・ベンチャース(La Poste Ventures)が主導したシード・ラウンドで120万ドルを調達したことを明らかにした。シード・ラウンドでの調達額が100万ドル以上というのは、投資業界が同社に寄せる期待の大きさを示すものだ。

 ラ・ポースト・ベンチャースは、イーサリアムの共同創設者であるジョセフ・ルービン氏が創設したアセリアル・ベンチャース(Ethereal Ventures)とエクセンジ(XAnge)が運営するインパクト投資(impact investing=測定可能かつ有益の社会的または環境的影響を生み出すことを意図した投資)に照準している。

 カーボナブルは、人材資源の拡充や開発、さまざまの業界の主要会社らとの協業の推進に今回の調達資金を投じる方針だ。

 同社の共同設立者であるラムズィ・ライエブ氏は、「ネット・ゼロを世界規模で達成するには、二酸化炭素排出量の削減に取り組む大企業らを支援する必要がある」「われわれは、投資家や炭素相殺サービス会社らが適切な方法で炭素中立に貢献できるよう効果的対策の実行をあと押しする」と説明した。

 カーボナブルは、コスト削減からリスク分散、ポートフォリオ管理、プロジェクト追跡にいたるまで、気候変動対策および貢献計画をウェブ3(パブリック・ブロックチェーン技術を基盤として非中央化インターネット接続網とそれを土台に構築されるインターネットの世界)技術で管理および処理するサービスを中核事業とする。さらに、生物多様性や地域社会効果、炭素吸収に重点を置いた自然基盤の炭素除去認証構想にも投資している。

 同社のソリューション群は、リアルタイムのウェブ・インパクト・リポートと、グリーンウォッシング(環境配慮を実行しているように装いごまかすこと)対策としての溯及追跡およびその透明性を高めるブロックチェーンによって、炭素の回収や相殺に関する各社の活動を効率的に管理できるようにする。

https://techfundingnews.com/carbonable-raises-1-2m-to-use-blockchain-technology-for-climate-change/