Thursday, April 13, 2023 11:48 AM

カーボン・ロボティクス、高性能の除草ロボットで台頭

 製造業でのロボット活用は何十年も前から一般化しているが、近年、製造業以外での普及が加速し始めている。そのおもな分野としては、物流業界(配送センターや倉庫、ラスト・マイル配達)を筆頭に、建設現場や医療、農業が挙げられる。

 古典的な産業用ロボット市場では日本が長年にわたって主導的立場にあるが、それ以外の分野では日本はすでに引き離されている。主因は、人工知能ソフトウェアが勝負どころになるためだ。日本は、機械には強いが、ソフトウェアやプラットフォームの設計および構築に弱い。

 テッククランチ誌によると、建設や医療、農業向けのロボット市場は黎明期にあり、大手や新興企業らが競争を激化させつつある。特に活発化する農業分野では、農機大手のジョン・ディア(John Deere)が新興企業を買収したことで同市場に参入した。

 その背景には、物流サービス業界と同様に、人手不足や労働力の高齢化という課題を解消するための自動化の必要性という要因がある。

 それに対応する先進的ソリューション群を提供することで台頭中の新興企業の一社がシアトル拠点のカーボン・ロボティクス(Carbon Robotics)だ。同社の技術は、機械視認(コンピューター・ヴィジョン)技術とレイザー技術を統合したシステムによって雑草を根から除去する。

 同社の資料によると、同技術は「異なる40種の穀物にまたがって5億の雑草」を根こそぎ除去する性能を実証済みだ。栽培するものによって雑草も違ってくるほか、作物と雑草の識別が難しい場合も多々ある。レイザーウィーダー(LaserWeeder)という同社のシステムは、機械視認と人工知能のプラットフォームによって雑草を正確に特定し、それと連動したレイザーによって除草する。

 カーボン・ロボティクスは現在、 レイザーウィーダーを米国内17州とカナダの3州に納品する準備を進めている。

 同社の急激な台頭にはベンチャー・キャピタル業界も注目している。同社は4月11日、シリーズCの資金調達によって3000万ドルを集めたことを発表した。同社は2021年にシリーズBラウンドで2700万ドルを集めていた。

 同社の創業者ポール・マイクセルCEOは、今回の調達資金をさらなる開発と増産、販促、国際展開に投じる計画だ。

https://techcrunch.com/2023/04/11/carbons-laser-weeding-robots-score-another-30-million/