Thursday, June 29, 2023 6:40 AM

豪エレメント25、GMに硫酸マンガン供給

 オーストラリアのマンガン生産大手エレメント25(Element 25)は、ゼネラル・モーターズ(GM)が北米で生産する電気自動車(EV)の電池用に硫酸マンガンを供給する。

 ロイターによると、GMは今回の合意に基づき、豪西部のブッチャーバード鉱山からルイジアナの新施設に送られる年間最大3万2500トンの硫酸マンガンを7年間にわたって購入する。エレメント25は、2億9000万ドルを投じてルイジアナにリチウムイオン電池用の硫酸マンガン工場を建設しており、GMは建設資金の一部として8500万ドルを融資する予定だ。

 GMは、2022〜24年半ばに北米で40万台のEVを生産し、25年には年間生産能力を100万台まで増やす計画で、それらの電池に必要な金属材料の供給確保を目指している。22年10月にはニッケルとコバルトの新たな供給源を確保するため豪クイーンズランド・パシフィック・メタルズに出資した。

 エレメント25は、今回のGMとの契約と1月にステランティスから獲得した契約で、25年の操業開始を予定しているルイジアナ工場における第1段階生産量の65%の顧客を確保した。現在はほかの顧客候補とも話を進めており、年末までに3件目の供給契約を締結して工場の資金調達を完了させる予定で、ジャスティン・ブラウン代表取締役は「もう1社オフテイク・パートナーを入れる余地がある」と話している。

 ブラウン氏によると、エレメント25の高純度加工技術は、世界の高純度マンガンのほとんどが生産されている中国以外の選択肢を提供する。同社は顧客の工場近くのほか、電池産業が成長中のオーストラリアにも加工工場を建設する予定だという。