Thursday, July 27, 2023 7:15 AM

ネクセオン、パナのカンザス工場に先進負極材を供給

 英国の新興電池材料メーカー、ネクセオン(Nexeon)は、電池大手パナソニック・エナジーが40億ドルを投じてカンザス州デソトに建設している新しい電気自動車(EV)用電池工場に、2025年から高エネルギー・シリコン負極材を供給する。

 ロイターによると、シリコン負極材の使用で、パナソニックの電池はより多くのエネルギーを蓄えられ、より急速な充電が可能になる。また、エネルギー密度が高まるため、現在と同等の航続距離を維持しつつより小型・軽量な電池パックの製造が可能になる。

 ネクセオンはシリコン負極の開発で、ワシントン州ウッディンビルを拠点とするグループ14テクノロジーズ(Group14 Technologies)およびカリフォルニア州アラミダ拠点のシラ・ナノテクノロジーズ(Sila Nanotechnologies)と競合している。

 投資家向けウェブサイトのピッチブック・コムによると、06年設立のネクセオンはこれまでに2億6000万ドル以上の資金を調達しており、直近の時価総額は3億5000万ドル。出資者やパートナーには電池や電池材料を製造する韓国SKグループが含まれている。

 これに対しグループ14は、6億5000万ドルを調達し、直近の時価総額は30億ドルで、企業投資家にはポルシェのほか、SKやBASFが含まれる。グループ14は、ポルシェの関連会社セルフォースにシリコン負極材を供給する契約を結んでいる。

 シラは、これまでに9億3500万ドルを調達し、直近の時価総額は33億ドル。メルセデス・ベンツ、シーメンス、サムスン、中国の電池大手CATLが出資しており、メルセデスは25年の電動SUV「EQG」を皮切りにシラの最初の自動車顧客となる予定。