Wednesday, February 14, 2024 6:18 AM
ウォルマート、TVメーカーのビジオ買収で交渉
小売り大手ウォルマートが液晶テレビメーカーのビジオ(Vizio、カリフォルニア州)を20億ドル以上で買収する交渉を進めていると、ウォールストリート・ジャーナルが13日報じた。実現すればウォルマートは全米テレビ市場シェアの5分の1以上を握る可能性がある。
ロイターによると、ウォルマートは現在、膨大な買い物客データを活用し、ウェブサイトやデジタルディプレイ、コネクテッドTV、ラジオなどの店舗資産で広告を販売することで収益化する動きを強めている。
調査会社インサイダー・インテリジェンスの報告書によると、「コネクト」と呼ばれるウォルマートの米広告事業は、2021年の立ち上げ以来二桁の成長を続けており、23年の売上高は約30億ドルだった。
ウォルマートの財務責任者は、コネクト部門を急成長する高収益事業の一つに挙げ、今後5年間のウォルマートの損益計算書の構成を変えるだろうと述べた。将来的な収益性は、牛乳やトイレットペーパーのような生活必需品の販売よりも、ウォルマート施設内での広告販売によるところが大きいとの見通しを示した。
一般にリテイル・メディア・ネットワーク(RMN)と呼ばれる小売業者の広告事業は、広告主にとって魅力的な選択肢になっており、RMNは米国の広告業界で最も急成長している。インサイダー・インテリジェンスは24年のRMN売上高は約600億ドルに達すると予測する。
金融サービス会社スティーブンスのアナリスト、ニコラス・ザングラー氏によると、ビジオはウォルマートが販売するテレビの70%近くを占める。ビジオを所有することでウォルマートは1800万人近くのアクティブ・ユーザーベースを利用できるようになり、自社ブランドの「オン(Onn)」と合わせて米国テレビ市場の22%を支配できる可能性があるという。