Monday, March 04, 2024 6:38 AM

ストアドット、「100in4 」電池で充放電1100回達成

 電気自動車(EV)用の超急速充電(XFC)電池を開発するイスラエルのストアドット(StoreDot)は、100マイル走れるだけの電気を4分で充電できる「100in4」電池技術で、予定より早く充放電1100サイクル(回)の目標を達成した。

 エレクトライブによると、この電池は2026年に量産開始が予定されており、EV用のフォームファクター(形状・規格)で1キロ当たり340ワット時(Wh/kg)の重量エネルギー密度が見込まれる。正極材の配合は「NMC9xx」、負極には同社のシリコンベースの技術が使われている。

 ただし、今回の記録は小型の試作電池を使った結果で、こうした実験室での数値をそのまま車載電池で実現することはできない。ストアドットの場合、現在の試作品は容量が3アンペア時(Ah)で車載用には適さない。同社は今後、「100in4」技術を140Ahの水準に高る予定で、その実験結果がより重要になる。

 ドロン・マイヤーズドーフCEOは「まだ克服すべき課題はあるが、経験上3Ahから100Ah超の電池までは数カ月で問題なくスケールアップできる。商業化への道を進む中で、設定した通過点には予定より早く達している」と述べた。

 ストアドットはこれまで、主にパウチ(小袋)型電池に力を入れてきたが、24年1月末に角型電池にも技術を注ぎ込むと発表した。角型電池は容器がしっかりしているため、電池パックに構造部品として設置できるのに対し、軟らかいパウチ型は単体だと同じエネルギー密度でも集合体にして電池パックにした時にエネルギー密度が角型より低くなる。