Friday, April 05, 2024 7:19 AM
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
電気自動車(EV)大手テスラは、長年広告を嫌ってきたが、数カ月前からさまざまな有料メディア・プラットフォームへの広告支出を増やしている。
◇大きな方向転換
ウォールストリート・ジャーナルによると、テスラは現在、フェイスブック、インスタグラム、そしてイーロン・マスクCEO自身が所有するX(旧ツイッター)で動画広告キャンペーンを展開しており、自動車売買サイトCars.comのランキングを引用して「モデルY」を「最もアメリカ製の車」と宣伝している。
これは、19年に「私は広告が嫌いだ」と短文投稿サイトでつぶやき、長い間「製品が優れていれば広告は不要」と主張してきたマスク氏にとって大きな方向転換を意味する。テスラはグーグルやアップルなど他の技術系企業と同様、これまでアーリーアダプター(新しい商品をいち早く採用する消費者層)やシリコンバレーの技術者からの口コミ、CEOの知名度の上昇によって自社ブランドの認知度を高めてきた。最近の財務報告書でも、テスラに関するメディア報道が同社の主要な販促要因となっている。
しかし、2023年5月のテスラの年次株主総会でマスク氏は態度を変え、株主の1人が「富裕層向けに実用性の低いスポーツカーを造っているという認識に対抗するため広告を検討すべき」と提案したところ、氏は「少し試して様子を見よう」と答えた。