Thursday, February 13, 2025 6:15 AM

フォーテリクスとマスワークスが提携、マツダのAV開発を加速

 自動運転の安全性検証技術を提供するイスラエルの新興企業フォーテリクス(Foretellix)と数学的計算ソフトウェア開発のマスワークス(MathWorks、カリフォルニア州)は、マツダの次世代自動運転および先進運転支援システム(AD/ADAS)の開発を支援するため技術提携する。より安全で堅牢な自動運転システムの開発と市場導入の加速を狙う。

 マスワークスのプレスリリースによると、フォーテリクスの「Foretify(フォーティファイ)」プラットフォームとマスワークスの「Simulink(シミュリンク)」および「Automated Driving Toolbox」の統合により、開発者は仮想環境で大規模なシナリオを生成、実行、分析できるようになる。

 実走行データを仮想シミュレーション環境に移動し、シナリオのテストや規模拡大ができるようになり、エッジケース(極端な事例)を特定し、評価カバレッジ(網羅率)の問題点を明確化して開発の早い段階で性能を検証できるため、マツダのシステムの市場投入までの時間が短縮され、システムの品質と安全性の向上につながる。

 マツダは、仮想環境でAD/ADASシステムのテストと検証を行うためにこの統合ソリューションを利用し、実走行データを実用的なシミュレーションシナリオに変換できるようにしている。

 これらのシナリオは、カバレッジギャップ、安全性能、システムの堅牢性が自動的に分析される。統合制御システム開発本部の矢野康英副本部長は「複雑化する次世代AD/ADASシステムの開発では、リスクの候補を特定して開発の初期段階からシステムの品質を向上させることが、事故ゼロを実現する上で非常に重要。両者のツールを用いることで、仮想環境下で効率的かつ網羅的な検証ができ、短期間で目標を達成できる」と話している。

 フォーテリクスのプラットフォームは、具体的で適切かつ有効なシナリオを無制限に自動生成し、これはマスワークスのAutomated Driving Toolboxシミュレーション環境内で実行される。このソリューションは、評価カバレッジ、主要業績評価指標(KPI)、安全度を測定するツールを開発者に提供し、マツダのような顧客はテスト期間が大幅に短縮され、初期段階の仮想検証を通じてオペレーショナル・デザイン・ドメイン(ODD)を効率的に拡張できるようになる。