Wednesday, November 30, 2016 10:20 AM

空調大手、米雇用を維持へ〜トランプの圧力で計画変更

 総合電機大手ユナイテッド・テクノロジーズ(UT)傘下の空調大手キヤリア(Carrier、コネチカット州)は29日、生産の一部をメキシコに移す計画だったインディアナ州の工場について、約1000人の雇用を残すことでドナルド・トランプ次期大統領と合意したと発表した。

 ロイター通信によると、同社は当初、幅広いコスト削減の一部としてインディアナ工場の業務をメキシコのモンテレーに移管する計画だったが、雇用の海外流出を食い止める公約を掲げたトランプ氏に選挙中から強く批判されていた。インディアナでは現在、インディアナポリス工場で1400人、ハンティントン工場で700人を雇用している。

 キヤリアはインディアナ州の知事であるマイク・ペンス次期副大統領を窓口にトランプ氏の政権移行チームと協議したもようで、29日は交流サイトのツイッターに「トランプ-ペンス次期政権と1000人近くの雇用を州内に残すことで合意したことを喜んでいる。詳細は近日中に」との声明を投稿した。

 消息筋によると、ペンス氏は選挙以降、UTとの幅広い協議を主導し、北米自由貿易協定(NAFTA)をはじめとする自由貿易に批判的なトランプ氏の立場だけでなく、UTのような大手製造業者に有利な共和党主導の議会による将来の税制改革についても説明したもよう。UTは年間売上高の10%を連邦政府に依存しており、トランプ氏の圧力に押された形だ。