Tuesday, August 17, 2021 10:15 AM

品薄深刻、苦境続く〜飲食店は人手不足も

 新型コロナウイルス禍から景気が回復している米国で、中小企業の苦境が続いている。サプライチェーン(供給網)混乱の影響で、小売現場では品薄が深刻化。客足が戻ってきた飲食店は求職者には不人気で、人手不足に見舞われている。

■売上高6割減

 イリノイ州シカゴ郊外の自転車店「ロスコービレッジバイク」。店主のレスリー・ツイーディーさんは空きが目立つ陳列台を眺め、ため息をついた。「発注から1年近くたつのに、まだ届かないものもある」

 自転車はコロナ感染リスクが低く、運動不足解消にもなるため、需要が拡大中だ。だが、ツイーディーさんの店は在庫不足で、2021年6月の売上高は前年から6割減った。背景として、世界経済の急回復による港湾の混雑や、低賃金とされるトラック運転手の不足が指摘されている。

 同店では修理や点検の依頼は増えているが、自転車の販売不振を補うには不十分。気温が下がる秋以降は例年、売れ行きが鈍る。「来年春には(商品の)自転車が届くと思うが、本当に奇妙な状況だ」と困惑する。

 サプライチェーンの問題は20年末ごろから表面化した。半導体不足による減産が続く自動車業界を中心に、幅広い業種に影響が広がっている。