Tuesday, April 05, 2022 10:45 AM

チャットボットの会話内容を人工知能で分析

 コミュニケーション・ツールを提供するアリーナ(Arena)は、人工知能を使った感情(センチメント)分析を武器に市場開拓を強化している。

 ベンチャービート誌によると、同社は、サンフランシスコを拠点とする設立5年の新興企業で、イーコマースをはじめB2C(business-to-consumer)のウェブサイトの画面右下にチャットボットを表示するソフトウェア・プラットフォームを提供している。同社は先日、シリーズAの資金調達で総額1360万ドルを調達した。

 消費者向け会社らのためのデジタル販促において2022年の潮流として浮上しつつあるのが、ソーシャル・メディアや、第三者のクッキーを超える別の手段を活用して、利用者や顧客に関する直接的な洞察を得ようとする動きだ。

 アリーナの設立者兼CEOのパオロ・マーティンズ氏は、その流れを設立当初から認識し、ソーシャル・ネットワーク分析の必要性をなくすためのサース(SaaS=software-as-a-service)プラットフォームを構築したと説明している。

 同社のプラットフォームはノー・コードを特徴とする。サイトの利用者らとの会話(オンライン・チャット)から取得するデータを人工知能で分析し、購入確率の高い利用者の特定や発見を支援するものだ。そういった感情分析では、会話に反映する感情や行動の変化を特定できる、とマーティンズ氏は説明している。

 「イーコマースや催事主催者、出版社、メディア、放送局、オンライン教育サービスといった会社が利用者たちと直接会話できるようにし、それを購入に結び付けられるよう支援している」と同氏は語っている。

 マーティンズ氏は、フールー(Hulu)の起業初期の社員の一人で、同社で広告製品の開発を担当した。また、ヒューストンの米航空宇宙局(NASA)にデータ工学者として勤務し、火星探索のアルゴリズム開発に携わったこともある。

 アリーナの技術を導入している顧客には、アドビ(Adobe)やフェイスブック(Facebook)、マイクロソフト(Microsoft)、ソニー・ミュージック(Sony Music)、ヴィミオ(Vimeo)がある。アリーナの感情分析サービス利用料金は、小規模導入の場合なら月額99ドルからで、大型導入では月額2万5000ドルに達する。

https://venturebeat.com/2022/03/31/conversational-data-platform-taps-ai-for-sentiment-analysis/