Thursday, September 07, 2023 11:21 AM

インテュイット、インテュイット・アシストを発表

 財務管理ソフトウェアを提供するインテュイット(Intuit)は9月6日、利用者の質問に対して個人化(個別化)された答えを返す新しい人工知能アシスタント機能「インテュイット・アシスト(Intuit Assist)」を発表した。

 ベンチャービート誌によると、インテュイット・アシストは、生成人工知能(generative artificial intelligence)を活用して自然言語の質問を理解し、実際のデータにもとづいて正確な回答を返すように設計されており、いわゆる「幻覚(hallucination)」を起こしにくい。また、請求書の作成や備忘通知の送信、販促キャンペーンの最適化といった作業も実行できる。

 同機能は、同社の税務ソフトウェア「ターボタックス(TurboTax)」の全利用者にすでに提供されており、改良機能が今後数ヵ月以内に導入される。同機能はまた、インテュイットのクレジット・カーマ(Credit Karma)やクイックブックス(Quickbooks)、メールチンプ(Mailchimp)でも、米国内の一部の利用者らに提供済みで、今後数ヵ月以内に提供対象が拡大される見通しだ。

 インテュイットは、人工知能に関するさまざまの実験を過去2年以上にわたって行ってきた。その成果として、情報の組織化を司る層「ジェンOS(GenOS)」を構築し、代行機能やプラグインを動作させている。ジェンOSは、工学者らが人工知能アプリケーションを構築するための基本と位置づけられている。

 工学者たちは、ジェンOSがあることで、さまざまのデータセットを使って製品や利用者の文脈を認識した人工知能モデルをカスタマイズできる。また、インテュイットの全製品にわたって一貫性のある人工知能開発が可能になる、と同社のアショク・スリヴァスタヴァ最高データ責任者は説明している。

 ジェンOSは3段階の情報処理で利用者たちからの質問に答える。まずは、利用者が入力した当初のプロンプトを利用者独自のデータにリアルタイムで統合して、プロンプトの質を向上させる。次に、そのプロンプトを独自開発の大規模言語モデルに送って答えを取得する。最後に、その答えを必要に応じて編集し、精度を高める。

 たとえば、ターボタックスの利用者は、納税申告の各段階で同機能を使いながら手続きを進めることができる。インテュイット・アシストは、利用者らの税務状況を次第に理解するようになり、定額の基礎控除を適用したほうが項目別控除を使うよりも納税額が減るといった助言をできるようになる。

https://venturebeat.com/ai/meet-intuit-assist-a-new-ai-assistant-that-can-do-more-than-just-answer-questions/