Monday, September 08, 2025 7:27 AM

建機・農機業界をトランプ関税が圧迫

 トランプ大統領の包括的な関税政策により、建機・農機メーカーのコストが急増しているが、需要の低迷と高金利も相まって各社とも負担を顧客に転嫁する余地はほとんどない。

◇142億〜158億ドルの打撃

 ロイターによると、米国を代表する建機大手キャタピラーと農機大手ディアはいずれも、2025年は関税で業績が大打撃を受けると警告。その大部分は今後数カ月で吸収できる見込みだが、政策の変化で市場は不安定さを増している。

 7月16日〜8月14日に決算を発表した両社は、通年で計142億〜158億ドルの財務的打撃を見込んでいる。キャタピラーは輸入部品や原材料の関税が利益率を圧迫すると説明し、ディアは農機・建機の製造に不可欠な鋼材や他の原材料のコスト増を警告している。

 政権による最新の関税措置は、トランプ大統領による国内製造業保護と貿易赤字縮小の大規模な取り組みの一部で、幅広い工業製品や原材料が対象となっている。しかし国内の機械メーカーは、経済の不透明感や高止まりする借入コストで顧客が大規模な資本投資を先送りする中で、すでに需要の低迷に直面している。