Monday, August 01, 2016 10:21 AM
安定した地中温度を利用した冷暖房〜課題は設置コストの高さと認知不足
地熱を利用した冷暖房は以前からある技術だが、それが普及するには、どのような利点があるかを啓蒙する必要がありそうだ。
エネルギー・マネージャー・トゥデイ誌によると、地熱を利用した冷暖房は、地表からわずか10フィート(約3メートル)程度も掘り進めば温度が常に華氏50〜60度で安定することを利用している。
地熱技術は、密閉した水道管を地中に到達させるか、地下水がある場合ならそれを利用する。水道管のなかで水を循環させることによって、夏には地上の建物を冷却し、冬には暖めることができる。
公益会社もそういった技術を利用している。米国では2年前の時点で公益会社の手がける地熱利用の80%がカリフォルニア州に集中していると報じられた。
調査会社のパーシスタンス・マーケット・リサーチ(Persistence Market Research)は現在、公益会社以外の地熱市場に関する調査を進めている。同調査では、市場を家庭用と商工業用に分け、また、地熱利用方法を地中熱交換、直接熱交換、オープン・ループ・システム、クローズ・ループ・システムの4種類に大別している。
2013年時点では、最大の市場分野は家庭向けで、もっとも成長している手法はクローズ・ループ・システムだった。最新の報告書は9月に発行の予定だ。
メリーランド州モンゴメリー郡では、学校数202、生徒数15万4000人の学区に2001年から地熱交換システムを設置し始めた。広報担当者によると、同システムは従来型システムに比べて20〜25%効率が高いという。
この種のシステムの短所は設置コストが高いことだ。ここしばらくのあいだ、大きなコスト低下はみられず、また劇的な技術革新も起きていない。さらに、同技術の利点に関する認識が低いことも普及しにくい要因となっている。