Wednesday, October 18, 2017 10:38 AM

NRDC、建物のCO2排出削減で戦略提唱

 環境保護団体の天然資源保護評議会(Natural Resources Defense Council=NRDC)は、建造物の二酸化炭素(CO2)排出量を2050年までに1990年比で80%削減するための3つの戦略を提言した。

 エナジー・マネジャー・トゥデイによると、NRDCは、「アメリカのクリーン・エネルギー・フロンティア:より安全な気候の未来への道(America’s Clean Energy Frontier: The Pathway to a Safer Climate Future)」と題した報告書を公表し、建物が直接的に消費するエネルギーの「非炭素化」が非常に重要になると論じ、次の3つの戦略を提唱している。

 1)断熱材と高効率機器の利用増。

 2)化石燃料を燃焼する空調や給湯システムの代わりに、再生可能エネルギーを電源とするヒート・ポンプといったシステムの利用増。

 3)埋め立て地のごみから出るバイオガスや再生可能エネルギーを使って生成する人工天然ガスを導入して、クリーン燃料の利用を増やす。

 NRDCは「カリフォルニア州をはじめ多くの州で建物のエネルギー消費規則や効率基準が定められ、建物や家電の効率が進歩しつつあるが、化石燃料を使う空調、給湯システムを代替エネルギー発電システムに変えることも重要かつ効果的だ」と説明している。

 NRDCによると、目標に向けた課題としては、消費者の認識不足や設置業者の知識不足、高額の初期投資が挙げられる。

 一方、商業不動産会社のCBREが発行した「2017年全米グリーン建物導入指標(2017 National Green Building Adoption Index)」では、シカゴ、サンフランシスコ、アトランタ、ヒューストン、ミネアポリスとセント・ポール、ロサンゼルス、デンバー、ワシントンDC、シアトル、ニューヨーク(マンハッタン)の10地区が、エネルギー効率化の対策を商業建物に積極的に導入している都市として評価された。