Thursday, January 18, 2018 11:17 AM

自動車大手10社、鉱物の倫理的調達を公約

 乗用車やトラックの大手メーカー10社はこのほど、電気自動車(EV)の生産拡大に備え、電池に必要な鉱物を購入する際に責任を持って倫理的かつ社会的な基準を守る、と約束した。

 各国が自動車関連の環境規制を強化し、自動車メーカーらが電動車種への投資を拡大するなか、コバルトやグラファイト、リチウムといった鉱物資源の需要は今後ますます高まると予想される。

 ロイター通信によると、フォルクスワーゲン(VW)だけでも2025年までに80以上の新車種発売を予定し、中国や欧州、北米で総額500億ユーロ(590億ドル)を超える電池セルや関連技術の材料を探しているが、グレンコアといった大手コバルト生産業者との協議は物別れに終わった。

 世界のコバルト生産の半分以上は、政情不安定かつ法律もあいまいで鉱山での児童労働も珍しくないコンゴ民主共和国から供給されている。

 共同で声明を発表したのは、VW、トヨタ、フォード、ダイムラー、BMW、ホンダ、ジャガー・ランドローバー、ボルボ・カーズ、およびトラック・メーカーのスカニアとボルボ。10社は、企業連合「ドライブ・サステイナビリティー」を結成し、原材料の供給における倫理的、環境的、人権および労働基準の問題に留意しながら対応に取り組む。

 企業の社会的責任(CSR)の理解および遂行に取り組む企業連合CSRヨーロッパのステファン・クレッツ氏は、「今回の連合結成によって、雲母やコバルト、ゴム、皮革といった自動車関連の主要原材料のリスクを評価し、供給網の問題に対応するうえで有意義な行動を見つけられるようになる」と述べた。