Tuesday, March 20, 2018 11:49 AM

戸田工業とBASFが提携強化〜米で合弁、EV電池素材を供給

 化学大手の戸田工業(広島県)とドイツの同業BASFは、米国で電気自動車(EV)用バッテリー素材の製造と供給を行う合弁会社BASF戸田アメリカ(BTA)を設立し、共同運営を開始した。

 BASFのプレスリリースによると、BTAはeモビリティ・アプリケーション向けに高エネルギーのNCM(3元系)やNCA(ニッケル系)といったバッテリー正極材(CAM)の生産および販売を行う。

 新会社の過半はBASFが所有し、オハイオ州エリリアとミシガン州バトルクリークの既存の製造施設を運営する。BASFのケネス・レーン触媒部門社長は「BTAの立ち上げは、BASFのバッテリー素材事業戦略に基づいた動き。BASFは現在、主要な自動車プラットフォームにバッテリー素材を供給しており、将来のあらゆる主要プラットフォームに供給できる資質を持つ。この投資によって、バッテリー素材の生産で世界的な存在を確立し、拡大する市場ニーズに対応するという構想を実行する」と話している。

 新会社の設立で、BASFと戸田工業は提携を強化する。両社は正極材の生産能力拡大を進めており、2017年12月には米国と日本でのニッケル系正極材の生産能力拡大を決定した。15年に設立した合弁事業BASF戸田バッテリーマテリアルズ(BTBM)は、山口県山陽小野田市にある製造拠点の生産能力を3倍に拡大している。

 BTBMは、リチウムイオン電池用にNCA、LMO(マンガン系)、NCMといった正極材を供給しており、持ち株比率はBASFが66%、戸田工業が34%となっている。

http://supplierinsight.ihsmarkit.com/news/5244221/basf-toda-kogyo-to-form-new-company-for-ev-battery-materials