Tuesday, June 14, 2016 5:06 PM

米議会、有害物質管理法の大型改正案を可決

 米連邦議会上院は、過去40年にわたって改定されなかった有害物質管理法の改定案を可決した。下院では同法案を5月に可決している。

 エンバイロメンタル・リーダー誌によると、改定法案は、洗剤や塗料、衣類を含むあらゆるものに使われている数千という化学物質に関する新しい試験と規制を規定する内容だ。

 議会での可決は、化学業界と環境保護団体の両方からおおむね肯定的に受け止められた。

 「改正は、メーカーが製品安全性を確認し、良質の製品を消費者に届ける過程を簡単にする」「化学物質の規制がより明確になることで、時代遅れの複雑な規則を理解しようとして費やしてきた時間と資源を、今後は革新や雇用創出に回せるようになる」と、全米製造業協会のジェイ・ティモンズ代表は声明を発表した。

 また、米化学協議会のカル・ドゥーリー代表は、「1990年以来、初めての大型環境法であるだけでなく、米国の製造業と消費者に長年にわたる利点をもたらすという点で、非常に意義がある」と述べた。

 ただ、公衆衛生および環境分野の団体からは、化学品メーカーに対して甘すぎるという批判も上がっている。化学業界の企業は、改正法案の草稿執筆段階から議会議員らと協力しており、法案内容に圧力をかけたと指摘される。

 1976年の化学物質管理法では、市販される約6万4000種類の化学品が環境保護庁(EPA)による試験と規制を受けないままとなってきた。新法では、EPAが既存および新規の化学品をすべて試験して、人間と環境への危険性を判断する。

 化学物質の試験にはそれぞれ7年の評価期間が与えられているため、EPAの試験は1回あたり20種類前後で済むとみられる。

 化学業界にとって好都合の点としては、今回の新しい連邦法によって州政府のより厳しい規則があらかじめ防止される点が挙げられる。

 オバマ大統領は、近日中に同法案に署名するとみられる。

http://www.environmentalleader.com/2016/06/09/chemical-safety-rules-pass-congress-whats-next-for-manufacturers/