Friday, June 22, 2018 10:57 AM
徘徊者保護に機械学習と予測技術を活用
ジョージ・メイソン大学(バージニア州)の保健サービス学部は、GTX(ロサンゼルス拠点)と提携して進めている臨床試験の第二相(Phase II、第二段階)において、機械学習によって認知症患者の徘徊を予想するソリューションの実効性実証に成功した。
GTXは、身体装着型のGPS機器やIoT(Internet of Things)プラットフォーム技術を開発する新興企業。
ビジネス・インサイダー誌によると、第二相では、被験者が装着するGPS追跡機器で集めるデータに機械学習技術を応用し、被験者の行動様式をモデル化するシステムの開発実現性と機能性が検証された。同学部の研究班は最終的に、それらのパターンをもとに認知症患者の典型的な行動を予想し、通常パターンとの比較によって徘徊が疑われる動きを検知できるようにする計画だ。
GTXと同学部は2016年秋に提携しており、同学部の研究班はその提携のもと、GTXの位置情報技術とデータ分析システム「GPSスマートソール(GPS SmartSole)」を採用し、アルツハイマーやそのほかの認知症を発症した高齢者の徘徊癖を調べる試験に着手した。第二相では、GPS追跡機器338個から集められるデータが解析された。
GTXは、研究班による研究結果を精査して、同社独自のGPS追跡プラットフォームおよび監視サービスに徘徊予測アルゴリズムを応用することを検討する。
GPSスマートソールは、装着していることが外見からわからない位置情報追跡端末。アルツハイマーや自閉症、外傷性脳損傷といった記憶障害または認知障害を患った人の居場所を監視したり、政府要人やジャーナリスト、企業重役といった誘拐の危険がある人の居場所を有事の際に特定できるようにするために設計された。