Wednesday, July 11, 2018 10:49 AM
ギガファクトリー近くにリチウム鉱山開所へ
ネバダ州にあるテスラの巨大バッテリー工場「ギガファクトリー」のわずか150マイル北で、電気自動車(EV)用バッテリーの重要な材料であるリチウムの採掘が始まる可能性が強まっている。
インサイドEVsによると、リチウム鉱山が開所した場合、2022年には炭酸リチウム(Li2CO3)の世界供給量が18年比で15%以上増える可能性がある。その後も生産は26年までに20%以上増加し、バッテリー業界で切望されているリチウム供給量が大幅に拡大する見込みだ。
10年代初頭に行われた科学者らの分析によると、高品質のリチウムイオン電池では現在、電力量1キロワット時(kWh)当たり4.4〜6.6ポンドの炭酸リチウムが必要になる。場合によってはわずか0.88ポンドで1kWh近くの放電が可能ともいう。
テスラとパナソニックが合弁で運営するギガファクトリーは、18年のリチウムイオン電池生産目標を容量換算で35GWhと設定しているが、これは同工場だけで年間6万〜8万5000トンの炭酸リチウムが必要なことを意味する。
ギガファクトリーの近くでリチウム鉱床を開発しているのはカナダ・トロント拠点のリチウム・アメリカズ。同社が「Northern Nevada Li2CO3」と呼ぶ鉱山は、控えめに見ても20年末までに開所できるという。採掘開始後は21カ月で年間生産量を3万トンに引き上げる目標で、その後6年で6万トンへと倍増する予定。
炭酸リチウムの世界供給量は17年に前年比21.5%の大幅増を記録したものの、18年は25万トンで高止まりすると予想されている。そのうちテスラの需要だけで少なくとも25〜30%を占める可能性があり、供給源の新規開拓がどうしても必要になるため、北ネバダの鉱山がその答えになるのではないかと期待されている。