Thursday, June 23, 2016 9:47 AM

IBMとゴーゴー、乱気流警告サービスで提携〜航空業界向けに今夏にも提供か

 IBMと、航空業界向け無線通信サービス会社のゴーゴー(Gogo)は先日、乱気流の情報を操縦士にリアルタイムで提供するサービスに向けて業務提携した。同サービスは今夏にも開始される見通しだ。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、民間航空機の操縦士が乱気流に遭遇すると、その情報を空港管制センターにすぐに報告し、管制センターがその情報をもとに危険性を分析して、その内容に応じてほかの航空機の操縦士に警告を発信する。両社が提供するサービスは、その一連の過程を自動化する。

 両社の発表によると、航空機に搭載されている検知器が乱気流を感知すると、その情報は飛行機の位置情報とともに、IBMのモノのインターネット(IoT=Internet of Things)向け人工知能ワトソンIoT(Watson IoT)に自動転送され、ワトソンIoTが気象情報と照合しながら乱気流の危険度を判断する。乱気流の危険度が低い場合は、状況報告の情報として操縦士に通知され、危険度が高い場合には警告を発する仕組みだ。

 同サービスに必要な無線通信にはゴーゴーの航空機向け無線通信プラットフォームが運用される。

 IBMは、乱気流の気象情報を集計するために、IBMが20億ドルで買収したウェザー・カンパニー(The Weather Company)の技術を活用する。

 IBMによると、乱気流による航空業界の損失は年間およそ1億ドルという巨額に達する。搭乗員や乗客の負傷のほか、機体の修理、運行中止または変更による売り上げ消失がそのコストに含まれる。

【http://www.wsj.com/articles/ibm-and-gogo-join-to-help-pilots-avoid-turbulence-1466164625?mod=WSJ_TechWSJD_NeedToKnow】