Tuesday, November 27, 2018 9:15 AM
アジアとの公正な競争が条件〜次世代電池への投資でトタル
フランスの石油ガス大手トタルのCEOがこのほど、中国やアジアのメーカーと公正に競争できなければ次世代自動車用バッテリー生産に多額を投資しないと発言した。
ロイター通信によると、トタルのバッテリー部門サフト(Saft)は5月、アジアや米国の同業に対抗できる全固体電池の研究、開発、生産を目指す欧州の次世代バッテリー・アライアンス・プロジェクトに2億ユーロ超を投資する計画を発表した。
サフトは独シーメンス、ベルギーのソルベイ、独マンツとの4社連合で2020年初頭から次世代リチウムイオン電池の量産を開始する計画だが、トタルのパトリック・プヤンネCEOは欧州のバッテリーメーカーがアジアの同業と不利な競争を強いられることを懸念している。
プヤンネCEOは23日、パリで開催された会合で、中国の一部企業が国から補助金を受けていることに触れ「他社と公正な競争ができる枠組みがなければ、サフトやグループは数十億ユーロ規模の事業を始めない」と述べた。
欧州では最近、電気自動車(EV)用バッテリー工場の建設プロジェクトが相次いで発表されており、ドイツ政府もバッテリー生産を支援するため約10億ユーロの予算を組むと発表している。プヤンネ氏は「現在、中国でEVを売りたい場合、バッテリーは中国で中国メーカーが作った物でなければならない。これは問題であり、自分たちも欧州で同様に自衛できないか、現在欧州政府と話し合っている」と話した。
フランスは、EV需要の高まりに対応するため、現在優勢なアジアのメーカーと競争できるコンソーシアム(企業体)を作ろうと欧州のバッテリーおよび自動車メーカーに呼びかけている。プヤンネ氏は「多額を投資した欧州企業が中国との競争に負けて閉鎖したソーラーパネル業界の二の舞を演じるのは、断固として避けたい」と語った。