Monday, December 03, 2018 8:35 AM
UPS、AIで悪天候による遅配を回避
運輸大手UPS(ジョージア州)は、天気に影響されることなく世界中で荷物を時間通りに届けるため、先進解析および機械学習技術を活用して膨大な量のデータを処理する新しい手法を開発した。
ミシガン州デトロイトなど物流の拠点を吹雪が襲った場合、航空便の欠航や配送トラックの運休といった理由で輸送や配達が大きく遅れる。
理論デジタル技術専門誌スーパーポジションによると、UPSはそうした場合、ネットワーク・プランニング・ツールス(Network Planning Tools=NPT)というアプリケーションを活用することで、同社の全施設がある地域やそことつながる拠点地域の気象データを追跡し、ほかの各種データを加味して吹雪を避けられる配送経路を割り出し、最終目的地に配送できるようにしている。
各種データには、配達物の重さや量、配達予定日が含まれる。UPSの技術陣は現在、気象情報と各種データを統合し、機械学習アルゴリズムがそれらを解析して最も吹雪の影響を受けにくい経路を探すため、NPTの効率的かつ効果的な活用法を模索しているところだ。
UPSは、歳末商戦期間中の取扱荷物を8億個と予想している。NPTは、荷物の取扱効率が下がっている集荷施設や配送施設を特定でき、その解決策を数分以内に提示できる。以前ならこの作業に数週間を要したという。
UPSは、NPTの活用で年間1億〜2億ドルの経費を削減できると見込んでいる。