Friday, September 16, 2016 9:58 AM

トヨタ、米R&D部門に権限委譲促進

 グローバル・プラットフォームの拡大を計画するトヨタが、中型乗用車・トラックの開発で米研究開発(R&D)部門への権限委譲を進めている。

 オートモーティブ・ニュースによると、米R&D部門は開発車種を増やすと同時に、複数の車種で進行中の設計ペースを加速化させている。

 トヨタ・テクニカル・センター(ミシガン州アナーバー)で最後に全面的な再設計が行われたのは2013年の「アバロン」だ。再設計にはこれまで2年を要したが、今後は1年に短縮される。

 アバロンのほか、ミニバン「シエナ」とピックアップ「タコマ」および「タンドラ」の設計を米エンジニアは進めている。トヨタは現地開発のクロスオーバー車「ヴェンザ」の生産を打ち切った後、グレッグ・ベルナス筆頭エンジニアにSUV「セコイア」と未発表のもう1車種を託した。

 米R&D部門への権限委譲を進めるトヨタには「プリウス」をめぐる苦い教訓がある。日本での細部に渡る設計を経たにもかかわらず、プリウスは道路安全保険協会(IIHS)が実施したチャイルドシートの新試験「LATCH(Lower Anchors and Tethers for Children)」をパスできなかった。トヨタが再設計を日本ではなく米エンジニアに託した結果、IIHSから「Good +」の高い評価を獲得した。

 トヨタは20年までに、新車両設計「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)」の対象車種を世界販売の5割へと拡大する方針だ。プリウスは小型車「NGA-C」プラットフォームの代表格で、次に「カムリ」やアバロン向けの「NGA-K」と、タンドラなどトラック向け「NGA-F」の両プラットフォームが投入される。