Thursday, September 05, 2019 10:11 AM
ドローンの害虫駆除率、98%〜中国メーカーが畑で薬品散布
中国の農業用ドローン(小型無人機)メーカーが、同国南部で発生した畑の害虫対策としてドローンで殺虫剤を散布したところ、98%という高い駆除率を達成した。
ブルームバーグ通信によると、広東省広州市を拠点にするドローン製造販売大手XAGは、ドイツのバイエル・クロップ・サイエンスと協力して、広東州の西に隣接する広西チワン族自治区で大発生した害虫のガ「ツマジロクサヨトウ」を駆除するため、ドローンで毒性の低い殺虫剤を散布した。この方法は、雲南省における政府主導の害虫駆除事業でも成功しているという。
XAGによると、ツマジロクサヨトウは80種類以上の作物を食い荒らし、成虫になると一晩で最大100キロを移動できる強力な害虫で、ほとんどの農家は従来の殺虫剤噴霧器に頼っているが、猛烈な繁殖ペースに追い付けないだけでなく、自身を危険な化学物質にさらしている。
この虫は、米大陸からアフリカやアジアまで広い範囲で分布し、イネやトウモロコシ、その他の野菜、綿花などに食害をもたらしており、中国に到達した後は北に向かって広がっている。
8月中旬の時点で河北省、陝西省、山東省を含む24地区、95万ヘクタールで作物に被害が出たが、現在はそれらの地域の90%で鎮圧されている。この虫は夜間に最も活発に作物を食べるため、ドローンなら日没後でも安全に散布作業ができる。
地元メディアの報道によると、XAGのドローンは河南省北部のトウモロコシ畑で発見されたツマジロクサヨトウの拡散防止にも貢献したという。