Wednesday, September 21, 2016 10:06 AM
トヨタは10年後を想定〜「完全自動運転車」の発売
トヨタ自動車は、5年後に「半自動運転車」、10年後に人がハンドルを握る必要のない「完全自動運転車」を発売することを目指し、2つの計画を進めている。オートモーティブ・ニュースが同社の自動運転技術研究を指揮するロボット工学者ライアン・ユースティス、エド・オルソン両氏の話として伝えた。
第1の計画は「ガーディアン」と命名され、次世代の運転支援システム開発が目的で、米国内に3カ所あるトヨタの人工知能(AI)研究開発子会社トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)のうち、マサチューセッツ州ケンブリッジ拠点のTRIが主導する。
第2の計画は「ショーファー」と呼ばれ、ミシガン州アナーバー拠点のTRIが完全自動運転車の開発を目指している。
トヨタの目標は、運輸省道路交通安全局(NHTSA)が定める自動運転技術の指標(レベル0から5段階)のうち、乗員が行き先を決めるだけでまったく運転操作を行う必要がない最高の「レベル4」の達成。ただ、ユースティス氏はこの技術を備えた車について、走行可能なのは州間高速道路など特定の場所に限られるという意味で「geofenced(実質的に区域限定の)」と呼び、「どんな場所でもレベル4の走行が可能な車を売り出す社はないだろう」と話した。
トヨタは、ガーディアン計画によって2020年までに半自動運転車を発売したい意向で、ユースティス氏は「われわれはガーディアンを早期に実現できる一つの技術水準と考えている」と述べ、その後は「共通の核心的技術がショーファーの実現を支える」と説明した。トヨタの半自動運転車は、自動車専用道路での合流と離脱、その間の車線の維持と変更や安全な車間距離の維持をドライバーの操作なしで行える車を指す。トヨタは今後、5年間に10億ドルを自動運転車開発に投じる。