Friday, March 13, 2020 10:00 AM

自動車業界のM&A、20年はEV関連が大幅増へ

 自動車業界では電化、自動化競争の激化で合併・買収(M&A)が活発になっている。EV関連技術で短期的な商機を狙う例と自動運転車(AV)の開発で長期的な成功を狙う例があり、2020年は前者が増えるとみられている。

 技術系M&A助言会社ハンプルトン・パートナーズによると、19年に締結された自動車関連のM&A契約の15%以上がコネクテッドカーおよびAV技術関連だった。オートノマス・ビークル・テクノロジーが伝えた。

 ウーバー・アドバンスト・テクノロジーズ・グループがトヨタとデンソーから10億ドルを調達したほか、GMクルーズはソフトバンクから11億5000万ドル、オーロラはセコイアとアマゾンが率いる投資ラウンドで3億5000万ドルを調達した。

 ハンプルトンは20年について、EV関連の短期的な投資やM&A活動がさらに増えると予想している。「技術系支出を増やさざるを得ない状況があり、EV分野は投資が伸びる。自動車メーカーには急速充電と充電インフラへの支出を増やす必要がある。一方、AV技術投資は市場を長期的に見守り、準備段階で技術の評価基準を設定したいと考えている。短期間で最も大きく成長するのはEV技術や関連インフラだと予測している」と述べた。

 報告書が挙げた19年下半期の大型M&Aは以下の通り。

 ・PEファンドのヘルマン&フリードマン(Hellman & Friedman)による自動車売買ウェブサイト運営オートスカウト24(AutoScout24)の買収=32億ドル

 ・配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズによる中東の同業カリーム(Careem)の買収=31億ドル

 ・ブリヂストンによるオランダの位置情報サービス大手トムトム(TomTom)の買収=10億ドル