Monday, December 07, 2020 4:04 PM

メルク、モジュール方式のスマート工場を建設

 医薬品大手の独メルク(Merck)は、生産過程のさらなるデジタル化に向けてシーメンス(Siemens)と提携した。

 ケミカル・エンジニアリング誌によると、両社は、専門知識や技術を持ち寄って、電子工学や製薬、生命科学分野の革新的素材と製品のモジュール生産を自動化する工程制御システムの開発を目指す。

 メルクは、同提携のもと、モジュール生産方式を採用したスマート工場の建設に1000万ユーロを投資する。同社は、2025年までにドイツ本社に10億ユーロを投資する計画を2019年に発表しており、工場建設はその一環として進められる。

 メルクとシーメンスが共同開発する工程制御システムは、「モジュール・タイプ・パッケージズ(MTP=Module Type Packages)」というソフトウェアによってモジュラー式生産設備を管理する。プロセス・オーケストレーション・レイヤー(Process Orchestration Layer=POL)として知られる設備監視制御システムを使い、さまざまの生産モジュールを全工程と相互連携させるというもので、将来にはプログラミングの手間を省き、モジュールを追加するだけで各種のスマート化機能を増やしていけるようにする。

 メルクが生産基盤設備を整備し、シーメンスがPOL技術の開発を主導する。

 モジュール生産方式をすでに導入しているメルクは、シーメンスとの提携では、全事業分野の工程開発と生産連携網における個々のモジュールの柔軟かつ簡素化された世界的な相互連携の高度化を目指す計画だ。

 メルクの取締役でメルク傘下のパフォーマンス・マテリアルズのカイ・ベックマンCEOは、モジュール方式のスマート工場によって、商品開発の早期段階でデータにもとづく意思決定を行い生産工程に継ぎ目なしで応用することで、顧客の要求に、より迅速かつ柔軟に対応することが可能になる、と述べた。

https://www.chemengonline.com/merck-and-siemens-collaborate-to-advance-modular-production-technologies/?printmode=1