Thursday, March 11, 2021 9:03 AM

LG、米または欧州でテスラ向けバッテリー製造目指す

 電池製造の韓国・LGエナジー・ソリューションが、テスラのEV向け先進バッテリーセルを2023年中にも製造することを目指し、米国と欧州で工場の候補地の検討に入っていることが分かった。2人の消息筋がロイター通信に語った。

 LGは最近、韓国の報道関係者に電気自動車(EV)と蓄電システム向けの電池を製造するため米国に工場建設を予定しており、製品はスタートアップおよび米国と世界中の顧客に向けて供給することを明かした。その時は顧客名は特定していなかったが、消息筋の1人はLGとしてはテスラがその電池を購入することを期待していると語った。

 テスラのイーロン・マスクCEOは2020年9月、「4680」と呼ぶ新型リチウムイオン電池を自社で開発する計画を発表した。同時にLGやパナソニックなどのサプライヤーに対して、その新型電池を生産するか、それとも大口の顧客を失うかの選択を迫った。

 消息筋はロイターに、LGは4680電池のサンプルを作製したと述べた。今は技術上のハードルと生産規模拡大という課題に直面しているという。

 消息筋の1人は「LGは米国の新工場で4680電池を生産する計画だ。欧州にあるテスラの大型工場(ギガ・ベルリン)に供給するため、4680の生産ラインを開設する予定だ」と語った。また、欧州の電池工場としてスペインも候補地に挙がっているという。

 消息筋によると、LGはまだテスラから4680を受注していない。現時点では、テスラは中国製の「モデル3」と「モデルY」で使う「2170」電池を大量に追加発注している。

 マスク氏は最近、4680電池の開発に関して電池メーカーと交渉入りしたことを明かした。同氏によると、テスラは現行の電池を少なくとも2、3年間は使用するが、現行モデルはやがて「引退」することになる。

 消息筋によると、パナソニックは4月からの新事業年度内に日本で4680電池の試験生産を開始する計画だ。パナとLGは4680の生産に関して協力するかどうか表明していない。