Wednesday, April 28, 2021 9:48 AM
ミシガン大、再生可能な軽量金属板生産の効率化を研究
ミシガン大学は、再生可能で軽量の自動車用金属板を簡単かつ効率良く製造する方法の開発に、事業費200万ドル相当をかけて取り組んでいる。
■新しい設計ツール
同大学のプレスリリースによると、「クリーンシート・プロジェクト(The Clean Sheet Project)」と呼ばれる事業には、資金の約50%をエネルギー省の内包エネルギーおよび廃棄物削減研究所(REMADE Institute)が提供し、そのほかフォード、アルミ大手ノベリス、米国再生資源協会(ISRI)、アルミニウム協会、ライト・メタル・コンサルタンツなどの民間組織やアルゴンヌ国立研究所も資金提供している。
ミシガン大は「大手自動車メーカーは軽量の小型トラックに注目し、内燃エンジンから電気自動車へと軸足を移しており、航続距離を延ばすためできるだけ軽い部品を必要としている」と見て、このプロジェクトが有意義だと考えている。
プロジェクトでは、新しい設計ツールを開発し、生産サイクル全体における資源再生に重点を置きながら、材料生産者と自動車メーカー向けの最善の製造慣行を確立する。最初はエネルギー消費量が多い自動車用アルミ板と先進高強度鋼板に焦点を絞り、最終的にはプラスチック、ポリマー、電気自動車(EV)、バッテリーなどの材料も対象にする予定。
プロジェクトを率いるダニエル・クーパー助教授(機械工学)は「今後は、自動車生産が環境に与える影響を減らす必要がある。その方法の1つに再生材から作る軽量金属板の生産量増加があり、これによって自動車製造の過程で出る排ガスや廃棄物が削減され、原材料生産における破壊的行為の制限にも役立つ。新車で使われている材料の多くはすでに再生材料でできているが、リサイクルの効率が悪い」と指摘する。
フォード・リサーチ・アンド・アドバンスト・エンジニアリングのジョージ・ラッキー合金開発担当者は「車の設計に、分解しやすさ、材料の分離しやすさ、業界標準化が組み込まれれば、材料の再利用や再生利用を増やせる可能性が高く、クリーンシート・プロジェクトはそのための深い理解を提供する」と話している。