Thursday, April 29, 2021 10:20 AM
ブリヂストン、ソーラーEV向けに特製タイヤ開発
ブリヂストンは、オランダの新興電気自動車(EV)企業ライトイヤー(Lightyear)の太陽光発電型EV「ライトイヤー・ワン(Lightyear One)」向けに、環境に優しく効率の高い革新的技術「ENLITEN(エンライトン)」を搭載した特別仕様タイヤ「Turanza Eco(トランザ・エコ)」を開発した。
ブリヂストンによると、この技術はバッテリー寿命の維持、航続距離の最大化、環境負荷低減に大きく貢献する。ライトイヤー・ワンは2021年4〜6月期に試験場走行が行われ、同年末までに発売される予定。
「ENLITEN」技術は、同社の低燃費タイヤ技術「ologic(オロジック)」と組み合わせることで、製造の全過程で使用する原材料の量を減らすことができるほか、タイヤの転がり抵抗が低減されるため、バッテリーの効率と寿命に大きく貢献し、車両の航続距離を最大に延ばせる。
ライトイヤーとブリヂストンの提携は、オーストラリアのアウトバックを横断する3000キロのソーラーカー・レース「ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ」を通じた8年以上にわたる協力が基盤となっており、両社は持続可能性を追求する姿勢を共有している。
ブリヂストンの調査によると、欧州のドライバーの約50%は完全EVの購入を検討しているものの、37%はエネルギー効率と航続距離への不安から実行をためらっている。ソーラーEVのライトイヤー・ワンがほかのEVの最大3倍のエネルギー効率を備え、725キロの航続距離を提供することを証明すればこうした懸念の払拭につながる。
ライトイヤー・ワンは、大型のソーラールーフが太陽光から作る電気でバッテリーを充電し、二酸化炭素(CO2)排出量を最小限に抑えながら充電中の効率を最大に高める。
ライトイヤーによると、「Turanza Eco」タイヤを装着するとブリヂストンのほかのEV用タイヤより航続距離が伸び、90キロ以上の軽量化と同等の効果が得られる。新しい混合技術によってシリカ分散性が改善されたこのタイヤは、実際の重量が車1台分(4本)当たり3.6キロ(約10%)軽くなっており、耐摩耗性やグリップは変わらない。
「Turanza Eco」タイヤには、EVの要求性能を満たしていることを示すブリヂストン独自の「EVマーク」が刻印されている。
https://www.bridgestone.co.jp/corporate/news/2021042302.html