Friday, December 03, 2021 4:49 PM
車載センサー市場、26年までに30%拡大へ
自動車向けのセンサー市場は、自動運転車(AV)や先進運転支援システム(ADAS)用の需要により2021〜26年に30%増加し、920億ドル超に成長するとの予想を英調査会社ジュニパー・リサーチが発表した。
グリーンカー・コングレスによると、ジュニパーの最新報告書「車載センサー市場:技術の進化、トレンド&予想 2021〜2026」は、国連の気候変動対策会議「COP26」がまとめた40年までに各国がゼロ排ガス車の販売比率を100%にするという目標によって、内燃エンジン車の安全関連センサーは大幅に減少すると見込んでいる。
一方、レーザー光を使って車の周囲の障害物を検知・測距するライダー・センサーは、半自動運転車やADAS技術の導入拡大で売り上げが3倍に増加し、26年には30億ドルに達すると予想している。ただし、ライダーは単価が高いため、導入の規模は小規模にとどまる見通しだ。
車両自動化装置とADASセンサーの売り上げの大部分は、短期的には多くの状況でライダーよりも高い費用対効果が期待されるCMOSイメージセンサー(画像認識に使用されるカメラ)から生まれる。21〜26年に出荷されるセンサーの半分以上を占める安全関連のセンサーは、電動化の加速につれて売り上げは減少する見込みだという。
報告書は、26年には個人用車両の出荷台数の3分の1以上が電気自動車(EV)になると見ており、これは駆動装置(エンジンまたはモーター)の状態の監視には別種のセンサーが必要になることを意味する。その結果、従来型車両に搭載されている酸素センサーや窒素化合物(NOx)センサーの需要が低下する。ただし、商用車分野では内燃エンジン車が比較的長く主流であり続けると考えられ、変化にはより時間がかかりそうだ。
報告書の作成者の1人マイルス・アグバンリン氏は「電動化により、今後数年間でセンサーメーカーの力関係が変わる。EVでは空気の量を監視する必要性が低いため、センサーメーカーは、電池メーカーなどと新しい関係を築く必要があり、そうしないと売り上げは大幅に減少する」と見ている。
https://www.greencarcongress.com/2021/11/20211130-juniper.html