Tuesday, March 29, 2022 3:29 AM

メタの上席幹部ら、遠隔労働を極限まで実施

 多くの会社が新型コロナウイルス・パンデミックを受けた事務所閉鎖から出社再開に移行するなか、メタ・プラットフォームス(Meta Platforms)はその動きに逆流するかのように遠隔労働を大々的に実施している。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、メタ(旧フェイスブック)のマーク・ザッカーバーグCEOを筆頭とする同社の経営幹部らは、シリコン・バレーの本社から遠く離れた場所に散らばり、遠隔勤務を限界まで試している。

 同社のナオミ・グライト製品責任者はシリコン・バレーからニューヨークに移転し、アレックス・シュルツ最高販促責任者は英国に引っ越した。ガイ・ローゼン誠実(会社の清廉さ、真摯さ、良心、律儀さ)担当副社長はイスラエルに移住する計画だ。

 かたや、スペイン出身のハヴィエア・オリヴァン最高成長責任者は、カリフォルニアと欧州を行き来していたが、より多くの時間を米国外で過ごす見通しだ。メタは、マドリード事務所を大幅に拡大させ、今後5年間で2倍の2000人に増員する計画だ。

 メタ傘下のインスタグラムのアダム・モセーリ最高責任者はこの数ヵ月ほど、ハワイやロサンゼルス、ケイプ・コッドといった遠方から出勤している。

 ザッカーバーグCEOも、カリフォルニア州メンロー・パークの本社を離れて過ごすことが多くなっているという。同氏は、ハワイの別荘や湾岸地域(サンフランシスコ湾とその周辺)以外の邸宅でも長期にわたって過ごすのが常態化しており、1年のうち半分は遠隔労働する見通しだ。

 エドワード・ジョーンズのデイヴィッド・ヘガー分析家は、これほど多くの上席幹部らが異なる時間帯に分散することについて懸念材料になる、と話した。メタの株価が昨今、不振を続けていることを考慮すれば、主要幹部らを遠隔労働させるという「実験をいますることは、よいタイミングではない」とヘガー氏は指摘する。

 3月28日に出社再開を予定するメタでは、データ・センター管理や各種のハードウェアといった基幹設備を管理する従業員以外について、自分の職務に支障をきたさないかぎり、申請すれば遠隔労働を恒久化できる方針を打ち出している。

https://www.wsj.com/articles/mark-zuckerberg-and-metas-leadership-take-remote-work-to-the-extreme-11648040580?mod=tech_lead_pos5