Friday, July 01, 2022 7:02 AM
クライムワークス、第2の炭素回収施設の建設開始
スイス拠点の新興企業クライムワークス(Climeworks)は6月29日、大気中の二酸化炭素(CO2)を回収して地中に貯蔵する同社にとって2つ目の施設の建設をアイスランドで開始した。世界最大規模になるという
ロイター通信によると、同社は直接大気回収(direct air capture=DAC)と呼ばれるタイプの新施設を18〜24カ月かけて建設する。完成後は、大気中から年間3万6000トンのCO2を回収する能力を持つ。
エネルギー業界が2021年に世界で排出したCO2(360億トン)に比べるとこれはほんの一部にすぎないが、現時点で世界最大であるクライムワークスの既存のDAC施設の10倍に相当する。
同社第2のDAC施設「マンモス(Mammoth)」は、約80の大型ファンやフィルターで大気を取り込み、CO2を抽出する。その後、アイスランドの炭素貯蔵会社カーブフィックス(Carbfix)がCO2を水と混合して地中に注入し、化学反応によって液体を岩石に変える。その過程で必要な電力は、近くの地熱発電所から供給される。アイスランドは世界最大の地熱発電国。
クライムワークスのクリストフ・ゲバルド共同CEOは、新しいDAC工場が稼働すれば、年間約50万トンのCO2を回収するその次のDAC工場の建設に取りかかる計画で、10年後には同等規模の施設を複数建設すると話した。