Thursday, April 06, 2023 11:52 AM

オーラ、貨物ドローン用に450MHzの無線通信網を構築中

 新興企業のオーラ(Aura)は、操縦士のいない未来の貨物航空機のための通信網を構築しつつある。

 ライト・リーディング誌によると、同社は最近、周波帯域管理ツールを運営するフェデレーテッド・ワイヤレス(Federated Wireless)と提携した。「乗組員がいる場合といない場合の両方を対象に、決定論的な接続リンクをもたらす」と、同社は説明している。

 同社のビル・トルピージンCEOによると、オーラの通信網は「ヴァージョン1」の開発段階にある。現在は、顧客および連邦航空管理局(FAA)と協力して詳細を固めつつある。「米国内最大の試験中の通信網だ」と同氏は話した。

 自動運転車や配達用ドローンの技術を実用化するには、5Gのように低遅延通信網が欠かせない。そのことは、自動操縦航空機を運用する場合にもあてはまる。同氏によると、旅客機向けに提供されている衛星通信や携帯電話通信、空対地通信では、その要求を満たせない。「BVLOS(beyond visual line of sight)でUAVs(unmanned aerial vehicles)を運用できるようにするには5Gでは足りない」「これまでだれもその点を真剣に考えてこなかった」と同氏は話している。

 現行の通信網では、5G接続機能を備えた機器が各所を移動しながら通信網に対して信号を送ることで、サービスをどこに提供する必要があるかを伝達している。オーラの通信網はその反対で、顧客が提出した航路計画にもとづいて、どこを航行すべきかを通信網が機器に伝達する。

 「特定の時点、特定の空間でのサービス提供を保証する。周波帯域を顧客のために予約しておくシステムだ」と、トルピージン氏は説明する。

 オーラは2020年に設立され、2021年に約3000万ドル、2022年に7500万ドルの資金調達を実施した。同社は、それらの調達資金を使って独自の無線通信網を構築しており、現在、約57ヵ所に通信施設を有している。同社の通信網は、「450MHz帯域の 1MHzスライヴァー(sliver)」内に構築されている。したがって、大容量のデータ転送には対応できないが、地理的に広い範囲にわたって音声と低遅延のサービスを提供できる、と同社は説明した。

https://www.lightreading.com/aiautomation/aura-builds-nationwide-450mhz-wireless-network-for-cargo-drones/d/d-id/784165?