Thursday, August 22, 2024 6:59 AM
セラダイン、GMと提携〜長寿命のトラック用燃料電池を共同開発
燃料電池開発の新興企業セラダイン(Celadyne、本社イリノイ州シカゴ)とGMは、エネルギー省が資金提供するプロジェクトで、大型貨物車用の寿命の長い燃料電池の共同開発に取り組んでいる。
エレクトライブによると、このプロジェクトでは、セラダインの「Dura(デュラ)」テクノロジーを活用して、大型トラック向けの寿命の長い燃料電池を開発・製造し、大型車両や産業用途におけるより広範な脱炭素化戦略を支援する。
セラダインの「Dura」テクノロジーは、三つの重要な特性を持つ高度なセルを使って、燃料電池の耐久性を大幅に高める。電解質膜を薄く保ち、プロトン(水に溶けた状態の水素イオン)を素早く通過させてガスやイオンが動きすぎないようにする。この結果、プロトン交換膜(PEM)の隣または内側に薄いセレクティブ・トランスポート(ST)層を備えた特殊な膜電極アセンブリー(MEA)が可能になる。
セラダインのギャリー・オンCEOは「燃料電池はもともとライトデューティー・システム向けに開発された技術で、ヘビーデューティー用途でディーゼルエンジン級の性能マイルストーンを達成するには、既存の燃料電池の耐久性を5倍にする必要がある」と話す。乗用車などの小型車両ではなく最初から大型輸送車をターゲットする理由については「水素は、サイズ、規模、量が重要な場合に合理的で、基本的に産業の脱炭素化と産業物流分野が理にかなっている。直接の電動化やバッテリーによる電動化が困難ないわゆるHard-to-Abate分野では、水素の価値がはるかに高まる」と説明する。
商用車における水素の使用は進んでおり、ダイムラー・トラックは燃料電池トラック「GenH2」の量産に向けて次の段階に入ったところだ。同社は長く社内でテスト走行を実施した後、7月末に日々の物流業務でテストするため5台の試作車を顧客に引き渡している。