Thursday, June 30, 2016 10:20 AM
人工知能開花の時代はすでに到来〜米新興企業の創業者が語る現状と可能性
昨今の技術業界報道では、人工知能(AI)という言葉が出てこない日はないが、人工知能が一般社会に浸透するにはさらなる開発が必要で、時間がまだかかると指摘される。しかし、その一方では、人工知能製品が近い将来に市場に出回るという見方もある。
コンピュータワールド誌によると、AI開発新興企業ヴァイキャリアス(Vicarious、アリゾナ州フェニックス拠点)のD・スコット・フィーニックス共同創設者は、「AIの夏がすでに到来している」と話す。
2010年設立のヴァイキャリアスは、製品をまだ市場投入していないが、フィーニックス氏は自社製品について、プロ棋士と対戦する人工知能ソフトウェアのような特定目的型ではなく、人間の脳のように多目的に機能すると話している。
同社の人工知能技術は、神経科学や深層アーキテクチャー(deep architecture)、生成確率モデル(generative probabilistic models)を駆使している。
同社は具体的な開発内容を明かさないが、同社のAI技術の一部は、キャプチャ(CAPTCHA)を認識する機能として2013年に明らかにされた。
キャプチャとは、ウェブサイトを使っているのが人間なのかソフトウェアなのかを判断する入力試験だ。歪んだり部分的に欠如している変形文字や数字を画面に表示し、それを入力させることで認識力を判断し、ウェブサイトを使っているのが人間かソフトウェアかを識別する。
キャプチャは元来、ソフトウェアを使った自動入力を防ぐために開発された技術。
ヴァイキャリアスの技術は、表示された文字や数字を人間のように推測できる。その能力は、特定目的にしか対応できない知力ではなく、多種多様の状況に応じて判断できる点でこれまでの人工知能アルゴリズムとは異なる。
同社はこれまで、総額7000万ドルのベンチャー・キャピタル投資を調達した。投資家のなかには、フェイスブック創設者のマーク・ザッカーバーグ氏やテスラ創設者のイーロン・マスク氏、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏といったそうそうたる著名起業家らの名前がある。