Friday, March 24, 2017 9:40 AM

富士通の米子会社、中小企業向けSD-WANを投入

 富士通の米国子会社である富士通ネットワーク・コミュニケーションズ(Fujitsu Network Communications )は23日、中小企業をおもな対象とする仮想アクセス通信網(Virtual Access Network=VAN)システムを発表した。

 SDXセントラル誌によると、同サービスでは、ソフトバンク傘下の英ARMのチップ設計を基本とした「ホワイトボックス」と称されるスイッチを富士通が顧客に送付し、顧客が自分で実装する。

 ホワイトボックスとは、通信網向けOSやアプリケーションを搭載せず、末端利用者が自分の好きなソフトウェアを選択できる公開仕様のハードウェアの総称。

 富士通のサービスは、EVPL(Ethernet virtual private line)データ・サービスのためのSD-WANという位置付けとみられ、ケーブルHFCやDSL、EPON、GPON、LTEといったさまざまの接続技術に対応している。

 「米国では従業員99人以下の企業が全体の97%を占めている」「都市部から離れた場所にある中小企業ですら、多数の接続方式を持っている」と、富士通ネットワーク・コミュニケーションズの主任ソリューション設計者ビル・ビーズリー氏話し、接続方式の多様性に対応する重要性を強調する。

 VANホワイトボックスは、フル機能のルーターを顧客の事業所に設置するのではなく、VNF(virtual network function)を使ってデータ・センターにつながるトンネルを作り出す。

 インテルのチップ設計を基本とした機器とソフトウェアを通信網の末端に設置する動きが昨今強まっていることから、ほとんどのSD-WANサービスはコストが高くなっている。それに対しVANは、中央から機能を管理するため経済性が高まる、とビーズリー氏は説明している。

 同氏によると。「データ・センター側でも複雑さをいくらか解消した。顧客がホワイトボックスを接続すれば、その顧客がどのサービスを注文したかを把握して提供する」。

 富士通は、SDN(Software Defined Network)とNFV(Network Functions Virtualization)について顧客にコンサルティングを提供する事業も手がけている。

https://www.sdxcentral.com/articles/news/fujitsu-targets-sd-wan-smaller-sized-businesses/2017/03/